「蔵の会」による保存・再生・活用プロジェクトで生まれた〈喜多町弁天長屋〉
観光客で賑わう川越の〈蔵造りの町並み〉のすぐ北、本町通りのまた1本北側にある通称〈弁天横丁〉は、細い路地を挟んで古い長屋が軒を連ねる、川越の中でも独特な雰囲気のある横丁です。その中ほどにある〈喜多町弁天長屋〉は、元々は芸者さんの住まいであったり飲み屋や小料理屋が入っていた四軒長屋で、当初は「埼玉縣重要物産陳列所(明治35年、埼玉縣營業便覧)」として建てられた可能性が高い建築です。
この長屋を、川越の文化を守る街づくりをされているNPO法人「蔵の会」が保存・再生・活用事業を立ち上げ、リノベーションし、アートとものづくりに携わるクリエイティブな若い世代を誘致し、特徴あるエリアを路地全体で作ることを目的とした事業が〈喜多町弁天長屋プロジェクト〉です。現在では、食堂・ギャラリー・職人さんのアトリエ・オフィスなどが入居しています。
「古い」+「新しい」×「クリエイティブ」が生みだすライフスタイルの提案
〈喜多町弁天長屋〉には、昔からの文化を受け継ぐ伝統とクリエイティブな新しい空気が共存しています。私たちのものづくりのコンセプトとリンクするこの空間に一目惚れし、ご縁あってお店をひらくことになりました。オリジナル商品のほか、アーティストやクラフトマンの作品展示販売やワークショップを展開し、この長屋が「ものづくり」に触れられる場所、クリエイティブの発信基地になることを目指します。
オリジナル家具とプロダクト
家具や雑貨は、多くの人が人生で最も長い時間を過ごす場所である「家」を、豊かで幸福な空間にすることができると私たちは考えます。椅子やテーブル、照明、棚、その他いろいろな小物まで、暮らしに寄り添う、世界でたったひとつのプロダクトを作ります。小さなお店なのでサンプルを並べていますが、すべてオーダーメイドで対応できます。
北欧ヴィンテージ食器
北欧を訪れた時、家庭で使わなくなった食器をセカンドハンドショップやフリーマーケットで交換したり、店舗に持ち込んでメンテナンス後に再販売されたりというのが当たり前になっていることが素敵だと感じました。シンプルでチャーミングな北欧の食器は日本の暮らしや料理と相性がとても良く、とくに昔のものが魅力的です。〈ARABIA〉を中心に、フィンランド・スウェーデン・デンマークで買い付けた食器や雑貨を販売します。
アーティストやクラフトマンの作品展示・販売
木工、鉄、紙、ガラス、絵画などの作家作品を展示販売します。
オープン時のメインは、長野県伊那市で活動している「紙束」が展開する、手製本の技術と素材を生かした作品です。色とりどりの紙の層の表情と質感を楽しめる〈ドライフラワーの花器〉〈ピアス〉〈ブローチ〉などをご紹介します。
STAFF
右=中井貴史
阿佐ヶ谷美術専門学校スペースデザインコース卒業。
1999年、株式会社ANAP入社。
2013年、bero iron worksを設立。
鉄加工を用いた家具・プロダクト製品・
インテリア・エクステリア製品を幅広く制作。
中=小林チエ
阿佐ヶ谷美術専門学校ビジュアルデザインコース卒業。
同校視覚デザインコース講師/グラフィックデザイナー。
左=田中雄斗
倉敷芸術科学⼤学彫刻コース卒業/
東北芸術⼯科⼤学⼤学院彫刻領域修了。
個展「POLITIVE」
(⼈形町Vision’s/2020年)
「日常茶飯事」
(アーツ千代田3331アキバタマビ21/2022年)
など展示多数。
ACCESS